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風疹が昨年大流行したのを受けて、職場での感染予防対策が重視され始めました。患者に20~40代の働き盛りの男性が多いためです。特に妊婦にうつると生まれてくる子に難聴などの障害が出る恐れがあります。
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風疹のウイルスは感染力が強く、インフルエンザの約5倍といわれています。唾液のしぶきなどに含まれるウイルスを吸い込むと2~3週間の潜伏期間を経て、高熱や発疹、リンパ節の腫れなどの症状が出ます。血小板が減って皮膚に紫色の斑点ができる「血小板減少性紫斑病」や急性脳炎などの合併症を招き、入院する例もあります。
【妊婦は特に注意を】
感染を確実に防ぐには「予防用ワクチンの接種」を受けるのが唯一無二の対策です。
現在は小児期のワクチン接種がすすめられているが、働き盛りの男性は接種をしていない場合が多く、感染の中心になっています。
—主な感染原因—
国に2013年に報告された風疹患者数は約1万4千人に上り、このうち20~60歳の男性が約9900人と3分の2を占めていました。
職場の同僚などからの感染が多く、風疹患者との接触を自覚していた人は少なかったそうです。風疹は症状が出る約1週間前から他の人にうつるほか、感染しても症状が出ない人がいるので厄介な病気です。
本人が風疹になるならまだしも、職場に妊婦や妊娠を希望する女性がいると大変です。妊婦にうつると難聴や網膜症、白内障などの症状がある「先天性風疹症候群」の子が生まれることがあります。12~13年の流行で約40人の赤ちゃんが同症候群と診断されました。
職場からの感染が主な原因となっているのを受け、厚生労働省や感染研は、職場での対策が欠かせないとして、3月に「職場における風しん対策ガイドライン」をまとめました。
【予防接種が望まれる対象者】
■本人が妊娠を希望している → 非妊娠期に2回が望ましい
■職場や家庭に妊婦または妊娠出産年齢の女性がいる →少なくても1回
■海外または国内の風疹流行地域への出張を予定している → 少なくても1回
■公共施設など多数の人が利用する職場に勤務。または業務上、外部者との面会の機会が多い → 少なくても1回
【問題ない追加接種】
ただし、自分が過去に予防接種を受けたかどうか記憶が定かでない人も多いはずです。
既に抗体 を持っていたとしても、妊娠中などを除けば追加接種は問題ありません。
一度風疹にかかった人は再び感染することはないといわれていますが、かつては医師が症状だけで 他の病気と間違えて診断する例もあったようなので、そんな場合は、かかりつけの病院などで接種を確認してみるのがいいと思います。
―接種費用―
現在、大人が予防接種を受ける場合、保険は適用されません。
料金は医療機関ごとに異なり、4000~8000円前後とされていますが、妊娠を希望する女性やその夫 などに費用の一部を助成する自治体もあります。
また、受ける際は病院にワクチンの在庫があるかなどを事前に問い合わせるようにしてください。
【注意すべき感染症】
注意すべき感染症には麻疹(はしか)もあります。
今年の全国の患者数は既に300人に達し、昨年1年間の報告数を上回っています。
はしかと風疹を予防できる混合 ワクチン(MRワクチン)があるので、こちらもお勧めです。
費用は7000~1万2000円前後です。
平常時の今こそ風疹対策が大事になります。特に外部との接触が多い男性は同僚や家族のことも思って予防接種を受けるようにしましょう。