乳がんや子宮がんは働く世代に発症することの多い病気です。乳がんは日本の女性に最も多いがんで年間6万8000人が発症しています。患者は増加傾向にあり12人に1人が乳がんになると言われていますが、早期に発見し適切に治療すれば命に直接影響が出にくいがんです。
子宮頸がんは20〜30代の発症が増えており、就職、就労、結婚、妊娠などに影響を与えることもあります。初期段階で発見し手術すれば完治することも多いがんです。初期は自覚症状がないので、定期的な検診が効果的です。
ー乳がんについてー
【乳がんの主な発症年齢】
30代後半から急激に発症が増え、40代後半から50代前半に最も多くなります。
【乳がんの治療】
手術や放射線照射などの局所治療や抗がん剤などの薬を使った全身療法があります。
・手術療法
手術には乳房すべてを切除する場合と部分的に温存する場合があります。がんの広がりなどを見極め適切な方法を選択します。全切除の場合は乳房を再建する手術を受ける人も増えています。
・薬物療法
がんを増殖させるホルモン受容体やがん細胞表面にHER2タンパク質の有無、がん細胞の形などの組み合わせによって効果が期待できる薬が変わります。
薬物療法は通院で出来るが場合も多くいです。がんの状態を知り、それぞれの治療の利点と課題を医師に聞き、理解して選ぶことが大切です。
ー子宮頸がんについてー
【子宮頸がんの主な発症年齢】
30代後半、20代の発症も急増している。
【子宮頸がんの原因】
性交渉によって感染するヒトパピローマウイルスが発症に関与しています。
【子宮頸がんの治療】
治療は手術と放射線照射が基本です。手術では子宮の一部を円錐状に切り取る場合や子宮の全摘をする場合があります。切除範囲は再発のリスクなどを考慮して決定されます。進行している場合は放射線と抗がん剤を併用します。
閉経前後の世代では子宮内膜に出来る子宮体がんも注意が必要です。初期から不正出血の症状があります。更年期によるものだと自己判断せず一度婦人科を受診するといいでしょう。
いずれのがんも早期発見、早期治療が大切です。定期的な検診を心がけ、不安な点は医師に相談するようにしましょう。