女性も用心、尿路結石 食生活見直し・運動の習慣を

投稿日:2014年12月15日|カテゴリ:医療コラム

【尿路結石とは】

脇腹周辺に激しい痛みなどが出る尿路結石とは、尿中のカルシウムやシュウ酸が結晶化してできる物で、暴飲暴食などの食生活の乱れが原因となって発症します。最近はサプリメントを多く摂取する若い女性に増えてきています。手術などで結石を取り除いても再発する例も多く、生活習慣の見直しが重要です。
尿路結石の患者は増加傾向にあり、男性は7人に1人、女性は15人に1人が生涯で一度は発症するといわれています。その背景にあるのが、食事の欧米化や運動不足といった生活習慣の問題です。これらは生活習慣病のリスクを高めるメタボリック(内臓脂肪)症候群の要因でもあるが、尿路結石の発症リスクも高めます。

【尿路結石の治療法】

尿路結石の治療法は結石の大きさによって異なり、5ミリメートル未満の場合は自然に体外に排出される確率が高いため、水分を多めに取り、経過観察することが多い。石を排出しやすくするため、尿路を広げる薬を使うこともあります。
石がある場所にもよりますが、大きさが5ミリ~1センチメートルになると、衝撃波を当てて石を砕いて小さくして体外に排出する「ESWL」と呼ぶ方法が選択肢になります。尿道から内視鏡を入れてレーザーで石を砕く「TUL」という方法もあります。
衝撃波を使う方法は治療後に日帰りも可能な利点がある半面、砕いた石を医師が取り出すことはできないので、体外に確実に排出されたかどうか追跡しにくいですが、内視鏡を使う場合は確実に取ったことが分かるものの、全身麻酔が必要で入院する必要などもあります。
2センチメートル以上の大きさになるとこうした治療法では難しくなり、背中から針を腎臓に通して穴を広げ、石を取り出す手術などで対応する場合もあります。

ただ、尿路結石は治療で取り除いても再発しやすく、3年後で約3割、5年後に約半数の患者で再び結石ができてしまいます。これまでの生活習慣を変えるのはなかなか難しいことも一因です。発症は生活習慣を改めるためのサインととらえ、食生活の見直しなどに取り組むきっかけにしましょう。

【尿路結石にならないための取り組み例】

・水分を1日2リットル以上とる(水が望ましい)
・野菜類はバランスよくとる。ほうれん草は小魚などと一緒に食べる。
・肉類など脂っこいものを食べ過ぎない。
・甘いものを食べ過ぎない。
・アルコールを飲み過ぎない。
・適度な運動を心がける。

尿路結石にならないためには、脂身の多い肉を控え、野菜を多めに摂取しましょう。
また、水分を1日2リットル以上とって尿の量を増やすようにしましょう。ただし、ビールなどアルコール類は控え、運動も適度に実践しましょう。生活習慣病を防ぐ取り組みが尿路結石の予防にもつながります。
尿路結石は命に直結する病気ではなく、一時的な痛みを我慢してやり過ごしてしまうケースもあります。しかし腎臓などの炎症は、腎機能の低下につながる恐れがあるため、異変を感じたら早めに医療機関を訪れるようにしましょう。