脂肪肝に効く「1日30分の速歩」 コーヒーも効果的

投稿日:2015年8月18日|カテゴリ:医療コラム

脂肪肝の患者は国内に約1000万人いるといわれています。
その1~2割は慢性的な炎症を起こす非アルコール性脂肪肝炎(NASH)という病気に移行するが、自覚症状はありません。
NASHになると命を脅かす肝硬変や肝がんのリスクが高まります。
脂肪肝を発症するメカニズムと、それを食い止める方法をご紹介します。

脂肪肝が疑われたなら、すぐに悪化の予防、改善に着手しましょう。
女性の場合は特に更年期以降に脂肪肝のリスクが高まります。
閉経前は女性ホルモンが内臓脂肪をたまりにくくし、余ったエネルギーは皮下脂肪として蓄積してくれますが、閉経後は男性と同様に内臓脂肪として蓄積されやすくなります。閉経前と同じ食習慣を続けることは危険です。

【 脂肪肝を予防&改善する心得】
■1日30分以上の早歩きをする
■抗酸化成分が豊富な野菜・果物を食べる
■総カロリー摂取は適度に抑える
■BMIを25以下にキープする
■ストレスをためない
■1日6時間以上の睡眠をとる

【 脂肪肝を防ぐ食事のポイント】
食事では、脂肪や糖分を抑え、大豆製品や青魚、赤身肉など良質なたんぱく質が豊富な食事を取るのがお薦めです。
また、脂肪肝の原因の一つと考えられているのが酸化ストレスです。
そのため、抗酸化作用のあるビタミンやポリフェノール類を含む野菜や果物を取るのもいいです。
なかでも手軽なのが飲料で、近年、コーヒーの作用が注目されています。
よくコーヒーを飲む群は脂肪肝の発症率が低いデータがあります。

【 脂肪肝を防ぐ運動】
運動を組み合わせることで、脂肪肝を改善する効果はよりアップします。
これを示したのが2015年3月に肝臓専門誌に掲載された筑波大学の研究です。
NAFLDの患者を対象に、早歩きなど少し強めの運動を1日に30分以上行ってもらったところ、体重や腹囲に変化はなく ても、肝臓の症状が改善すると報告されています。

【 脂肪肝を防ぐ睡眠】
睡眠も重要です。睡眠の状態が悪くなると、血糖値のコントロールが難しくなるなどの事実が明らかになっています。その結果、脂肪肝と糖尿病を併発する ケースが多いです。肝機能と睡眠の関連を、健診受診者755人について調べたところ、睡眠不足は肝機能の状態を悪くすることが分かっています。

脂肪肝の予防・改善に「これだけやれば」という方法は存在しません。
毎日、コツコツと食事・運動・睡眠の改善に取り組むことが重要です。