室温・湿度管理でインフルを防ぐ

投稿日:2015年11月16日|カテゴリ:医療コラム

11月に入り、インフルエンザ流行の兆しがみえています。
インフルエンザの感染予防には、うがいやマスク、ワクチンのほか、「部屋の適切な温度と湿度管理が大切」と専門家は口をそろえます。

インフルエンザは、インフルエンザウイルスを病原体とする気道感染症で、日本では毎年冬に流行します。
冬場は乾燥しているうえに部屋の暖房によって更に乾燥が進みます。空気中に水滴など水分が少ないと、せきやくしゃみなどで勢いよく出た飛沫は遠くまで飛び、それらに乗ってインフルエンザウイルスも拡散してしまいます。

【インフルエンザの予防】
■ 温度と湿度管理
・部屋に温湿計を置きましょう
・就寝中に口の中が乾かないよう、マスクをするか暖房はかけすぎない
・部屋は時々換気
・加湿器も活用

→ 室温は20〜25℃程度、湿度は50〜70%程度で40%を下回らない。(注1)
1立方メートルあたりの水分量(乾燥指数、絶対湿度)は11〜17グラムが目安です。(注2)

(注1) 湿度が70%以上になると「過敏性肺臓炎」と呼ぶアレルギー性の肺の病気を起こす人がいます。部屋の湿度が高すぎると加湿器の中にも細菌やカビが育ちやすくなり、これらを長期間吸い込み続けて起きます。最悪の場合は呼吸困難に陥ることもあります。加湿し過ぎに注意し、加湿器のタンクは1日おきに清掃しましょう。

(注2) 絶対湿度:空気1立方メートルあたりに含まれる水蒸気の重さ(グラム)。例えば湿度が50%とあっても、気温18度のときの絶対湿度は約8グラム、同30度なら同15グラムになります。湿度と温度はセットで見ることが大切です。

■ 日常生活
・外出時、人混みではマスクを
・外から戻ったらせっけんで手洗いうがいを
・バランス良い食事と十分な睡眠

■ ワクチン
・発症や重症化を防ぐことが期待できます

インフルエンザウイルスにはA、B、C の3つ型がありますが、大流行の原因となるのはAとBです。今季は従来の3種類に、新たな1種類を加えた4種類のウイルスタイプに対応するワクチンが導入されています。
「昨年打ったが発症した。打っても効かない」という人がいますが、「ワクチンは重症化を防ぐもので感染しないもの」ではありません。ワクチン接種に加え、日常生活での乾燥と温度対策でインフルエンザを予防し、冬を乗り越えましょう。