毎年、秋以降に流行が本格化するノロウイルス。国立感染症研究所によると、この秋冬には新型のノロウイルスが大流行する可能性があるといい、いつも以上の警戒が必要です。新型ノロウイルスが流行の主要株になれば、感染者が増えやすく、ノロウイルスが例年にないほど大流行する恐れがあります。
では、どんなことに気を付ければいいのでしょうか。 新型ウイルスにかかったときの症状や予防策は従来のノロウイルスの場合と特に変わりません。ただ、これまで獲得した免疫が役に立たずかかりやすくなる為、『手を洗う』ことの重要性は今一度見直す必要があります。 国立感染研究所ウイルス第二部第一室の片山和彦室長による、ノロウイルスを寄せ付けない&まき散らさないための方法をご紹介します。
■「トイレ後」「食べ物に触る前」には手洗いを特に忘れてはいけないのは「食べ物に触る前に」手を洗うこと。トイレを済ませた後はもちろんのこと、食べ物に触ったり、食べたり する前も、必ず手洗いをしましょう。
■手を洗う場合は石鹸を付けて!
手を洗う場合は、必ず流水で洗うこと。おてふきやウェットティッシュで拭く程度では、ウイルスは十分に取り除けません。「石鹸をつけて手全体に広げ た後、石鹸が落ちるまで洗えばOK。石鹸は、界面活性剤の作用で付着した汚れをはがす効果があるのと、石鹸をつけた以上は誰でもそれが 落ちるまでは洗う為必ず使いましょう。
■手洗い後は水気を拭き取る・まき散らさない
手洗いの後、手を振って水気を飛ばすことはないでしょうか。そうすると、手に残っていたウイルスが飛び散る可能性がある為、ペーパータオルか手持ちのハンカチで水気を拭きましょう。
■便座や便器の蓋は拭く
トイレでは、便座を通じて感染することがあります。便座を拭いてから使用しましょう。拭けるものがない場合、紙製の便座用シートやトイレットペーパーを敷 いて使うのも有効です。また、便器の蓋にもウイルスが付いている可能性がある為、できれば蓋の裏までふくことで、さらに予防ができます。アルコール系の便 座クリーナーなども、拭き取るための補助として積極的に利用するといいでしょう。
■人ごみではマスクの着用を
人ごみに出る際、マスクはおすすめです。「ノロウイルスは単独で飛ぶことはなく、水滴や埃に乗って飛んでいるので、埃や水滴 が口に入るのを防げれば十分であり、ウイルスを通さないような高価なマスクでなくても大丈夫」(片山室長)だといいます。
ノロウイルスの感染は、急に気温が低下したときに増える傾向があるそうなので、これからのシーズンは特に注意したいです。