皮膚の働き

投稿日:2012年11月29日|カテゴリ:医療コラム

私たちの身体の表面を覆う皮膚は、大人の場合総面積が1.5平方メートルあり、重さは内蔵の中で最も重い肝臓の約3倍もあります。
人体で最も大きい臓器であり、「全身の健康バロメーター」とも言われています。

■皮膚の働き
皮膚の大切な働きは痛覚、触覚、圧覚、温度覚の冷覚、温覚の五感をキャッチすることです。
また、全身の保護、体温調節、汗や皮脂の分泌、呼吸、栄養の貯蔵など、生体防御として働いてます。

■皮膚の寿命
表皮の寿命は約4週間です。
基底層から上へ上へと順次移動して、約2週間で角質層へ達します。
さらに2週間で角質は乾燥してあかなどになってはがれます。

○「皮脂膜」の働き
皮膚の表面は、絶えず汗と皮脂が分泌されて混じり合い、弱酸性の薄い皮脂膜で覆われています。
この皮脂膜は細菌やカビなど真菌の侵入や発育、感染を抑えます。
ただ暑い夏や、寒い冬厚着をして汗をびっしょりかくと皮膚表面のバランスが崩れ、アルカリ性に近づいて殺菌力が弱まり、化膿しやすくなります。

○「皮脂腺」の働き
皮脂を分泌する皮脂腺は、皮膚の乾燥を防いでしっとりしたうるおいを維持し、外界の刺激から皮膚を保護します。
乾燥だけでなく老化などによって、汗や皮脂の分泌が衰えると、皮脂膜が十分できなくなり、肌はますます乾燥して、カサつきやかゆみなどを起こします。

■皮膚のケア
入浴後に保湿効果のあるローションを体につけたり、ひげそり後の顔にクリームを使ったりすれば、単純に乾燥を防げるだけでなく、皮膚本来の機能である五感と保護機能を維持できます。

空気が乾燥する冬は、皮膚を手入れして乾燥を防ぐことは、見た目を美しく保つためだけでなく、体全体の健康を予防することに繋がります。
皮膚が健康であれば毎日の温度変化にも敏感に対応でき、病気を未然に防ぐことができます。

皮膚のケアを十分に行い、今年の寒い冬を健康に乗り切りましょう。