【先端巨大症】
体の維持に不可欠なホルモンは出過ぎたり足りなかったりすると様々な症状が表れるが、中でも成長ホルモンは過剰分泌になると「先端巨大症」に、不足すると「低身長症」になる。
<原因>
下垂体に良性腫瘍ができるなどの原因により、成長ホルモンが過剰に分泌されて発症する。
<症状と特徴>
・アクロメガリーとも呼ばれ、40、50代での発症が多い。
・男女での発症率に大きな差はない。
・国内患者数は約1万人で、国の難病指定を受けている。
・顔立ちの変化や手足の肥大などの外見上の変化の他にも、糖尿病や高血圧を合併するなど全身に様々な影響を引き起こす。
・脳梗塞や心筋梗塞の発症リスクも高まり、放置すると寿命が10年短くなるといわれる。
以下のような症状があれば先端巨大症の可能性がある。
■あたま
・頭痛がする
■歯・舌
・咬み合わせが悪くなった
・歯並びが悪い
・舌が大きい
・舌がからまる
■目
・視野が狭くなった
・視力が悪くなった
■顔つき
・顔つきが変わった
・額や目の上が飛び出ている
・下あごが出ている
・唇が厚い
■のど
・いびきが大きいといわれる
・睡眠時に呼吸が止まるといわれる
・声が低くなった
■手・関節
・指先がしびれる、関節が痛む
・いつも手が汗ばんでいる
■体調
・汗をかきやすい
・疲れやすい
・寝付けない
・月経が不規則
・不妊、性欲低下
■手足の大きさ
・手が大きくなり、指輪が入らなくなった
・足が大きくなり、靴がきつくなった
※(注)アクロメガリー広報センターなどの資料をもとに作成
<治療方法>
・基本は手術で、成長ホルモンを増やす原因となっている腫瘍を取り除く
・鼻からの内視鏡で脳下垂体の腫瘍を除去するのが一般的
・完全に除去できない場合は、成長ホルモンの量や作用を抑える薬を併用する
・治療後は、問題なく日常生活を送れるようになる人も多い
患者自身や家族、医師が気付けばすぐに取り組める病気と専門家は口を揃えており、まずは「気付くこと」が重要な病気です。
【薬物アレルギー】
高熱や頭痛、風邪などの際に市販薬を飲用する人は多いが、この薬物が時に本来の働きや効果効能とは全く違う作用を起こすことがあり、命を脅かすこともある。
「薬物アレルギー」は、通常の薬理作用から推測できない副作用を引き起こすもので、投与された人の素因や素質によって反応が表れる。
<薬物アレルギーの4つの型>
■1型→じんましん、アナフィラキシーショック、気管支ぜんそくなど
■2型→溶血性貧血、血小板や白血球の減少など
■3型→過敏性血管炎、血清病型反応など
■4型→接触性皮膚炎、肝障害など
<特に重篤な皮膚粘膜眼症候群>
・スティーブンス・ジョンソン症候群や中毒性表皮壊死症などと呼ばれる
・皮膚が真っ赤に腫れ上がり高熱を伴い、皮膚呼吸もできなくなって死に至ることがある
<医師にかかる際の注意点>
・市販の風邪薬等の服用で湿疹や発熱、かゆみや吐き気、全身のだるさなどの症状がどんどん増えたり、状態が悪化したりする場合は、医療機関で何をいつ頃服用したかを報告する。
・特に始めて飲んだ薬物は多くの人が服用しているものでも必ず報告する。
・病院で処方された抗生剤や抗てんかん剤、去痰剤も安心は禁物
<治療方法>
・原因となる薬物の服用を中止し、かゆみ止めなどの対症療法をすると数日以内で改善する。
・状態によって、抗ヒスタミン剤やステロイドを投与することもある。
症状が月単位で継続する場合、食べ物の中に薬物と同じ物質が混入していることがある。
(豚肉やミルクなどにまれに抗生物質が含まれる、パンや菓子に保存料が含まれる場合もある)
薬物に対する過剰な反応は幼児など敏感な子どもたちに多いが、大人にも起こる病気であり、注意が必要。