【関節リウマチとはどんな病気】
関節リウマチは体に備わっている免疫機能が、外から入ってきた異物ではなく自身の細胞や組織を攻撃して起こる自己免疫疾患の一つです。
関節にある「滑膜」に炎症が起こり、徐々に軟骨や骨を壊します。
【主な症状】
発熱や倦怠感のほか、手足の複数の関節で炎症による痛みや腫れ、こわばりなどが出ます。
骨や軟骨が侵され、やがて関節の破壊や変形が進みます。ひじのような大きな関節よりも小さな関節で痛む傾向があります。
心臓などのほかの臓器にも炎症を起こすため心筋梗塞など合併症のリスクもあります。
【原因】
詳しいメカニズムはまだ分かっていませんが、患者は推定70万人。女性患者は男性の3倍以上。
30~50代の発症が多いですが、高齢化によって年配の患者が最近は増えています。
【検査と診断】
確定診断は難しいため、専門医の判断を仰ぐことが重要です。
関節の腫れや痛みを伴う病気の他にも、膠原病や変形性関節症など数多くあります。関節リウマチと判定するためには、他の病気の可能性を取り除かなければいけません。
実際には、診断基準に沿って関節の状態を確かめるほか、
・血液検査
・レントゲン検査
などで絞り込みます。
《関節リウマチのチェックリスト》
□朝に手足のこわばりが15分以上続く
□手首や手の指の付け根、足の指の付け根などに症状が出やすい
□手や足の関節の腫れや痛みが複数カ所出てくる
□左右両方の手で症状が出る
□症状が1週間以上続く
□疲れやすく微熱がある
【治療法】
治療は投薬が基本で痛みや腫れなどの症状のない状態を目指します。
昔は手術で腫れた滑膜をとる治療もありましたが、今では壊れた関節を人工関節にして機能を回復する際に手術をする程度です。
投薬の際は、医師は定期的に患者の状態を調べて、最適な薬を処方します。少なくとも3ヶ月ごと診断して、副作用を考慮し増量、薬の変更、併用療法などを検討します。
専門医ならば、約8割の患者で寛解やほとんど症状のない状態にできるといいます。
腫れているのは関節が壊れているからで、投薬しなければ関節の破壊は進んでしまいます。また、痛みのある時だけ薬を飲めばいいと誤解する患者もいるようですが、抗リウマチ薬は鎮痛剤とは別で、進行を抑える薬です。飲み続けなければ悪化しかねないのも事実す。
【注意点】
ただ、投薬を続けても日常に支障が出る場合もあります。
発症から2年以内に骨の破壊が進むので早期の治療開始が重要になります。
骨の破壊はレントゲン検査などで分かる程度の微笑な変化から始まるため、初期に患者が不自由を感じることはほとんどありません。
指が曲がるようになるのは10年かかることも多いです。
痛みの我慢は禁物です。
早めに治療を始めると薬を使わないで済むようになる場合もあるといいます。
早期の治療開始が重要になってきます。