強い日光が降り注ぐ真夏は光線過敏症に悩む人が増える季節です。早めに皮膚科にかかり適切に対処し症状が慢性化したり、悪化するのを防ぎましょう。
【光線過敏症とは】
紫外線や可視光線を浴びた肌に斑点や湿疹が生じ、かゆみや痛みが出るいくつかの病気の総称です。飲み薬や貼り薬が原因になる「外因性」と体内の異常で起きる「内因性」の2つに分けられます。
【主な光線過敏症の原因と対処法】
ー外因性の光線過敏症ーーーーーーーーーーーーーーー
●薬剤性光線過敏症
◯原因と症状:薬を飲んだり注射をしたりした時に顔や耳、腕や手の甲などにかゆみを伴う赤い発疹が出る。一部の抗菌薬や鎮痛剤が原因で薬の成分が皮膚に届き波長が320~400ナノメートルの長波長紫外線が当たると炎症が起きる。
◯主な患者層:幅広い
◯対処法:薬をやめたり切り替えたりする。2~3日後に治ることが多いが症状を1~2年放置すると慢性化し薬をやめても治りにくくなるので注意が 必要。アトピー性皮膚炎など他の病気と紛らわしいこともある。薬を処方する内科医が光線過敏症に詳しくない場合もあるので、光が当たった肌に症状が出たら 皮膚科を受診する。
●光接触皮膚炎
◯原因と症状
湿布薬の抗炎症成分が皮膚に残り、長波長紫外線が当たったときなどに炎症が起こる。
◯主な患者層:幅広い
◯対処法:湿布薬をはがしても成分が約1ヶ月は残り、洗い流しても落ちないので外出時は患部を衣類やサンスクリーン剤で遮光する。湿布薬には「貼ったところを日光に当てないで下さい。」などの注意書きがあるので良く読んで使うことが大切。
ー内因性の光線過敏症ーーーーーーーーーーーーーーー
●多形日光疹
◯原因:原因は不明で光が当たった場所に湿疹ができる症状が慢性化する。
◯主な患者層:10~20代の女性や中高年男性
◯対処法:患部を遮光し、ステロイド剤や抗アレルギー薬を内服する。
●慢性光線過敏症
◯原因:原因は不明で多形日光疹よりも症状が重く強いかゆみを伴う。
◯主な患者層:60代以上の男性
◯対処法:部屋を暗くするなど、特に厳重な遮光が必要。
●日光じんましん
◯原因:原因は不明だが可視光線に当たると起きやすい。
◯主な患者層:20~50代
◯対処法:サンスクリーン剤が効きにくいので衣服などで遮光する。
●色素性乾皮症
◯原因:遺伝性で10万人に1人程度の稀な病気
◯主な患者層:子ども
◯対処法:日中の外出を避けるなど徹底して紫外線を避ける。
【早めに皮膚科を受診】
「発疹などの症状が光を浴びた所だけに起きるか」「光線過敏症を引き起こす薬を服用しているか」「独特の色や形の発疹が出るか」など他の病気と見 分けるポイントは何点かありますが専門医以外には見分けづらいケースも多くあります。皮膚に赤い斑点や発疹、かゆみが現れた場合は皮膚科を受診しましょ う。