【知らないうちに水虫の感染源に】
足がかゆく水虫ではないかと悩んでいる人の多くは実際には水虫ではないことが多く、逆に本当に水虫にかかっている人のほとんどが自覚症状がない。かゆみを訴えるのは10人に1人くらいで、気がつかないまま放置すると「白癬(はくせん)菌をばらまき感染源になってしまう」。
【水虫と間違えやすい症状の例】
水虫が別の症状と判断されたり、かぶれなのに水虫だと言われたりするケースが続出している。
ちょっと見ただけでは水虫かどうか紛らわしい場合が多いからだが、本来使うべき薬とは違うものを塗ったり服用したりして、症状が長引く例もあるので注意が必要である。
◆掌蹠膿疱症(しょうせきのうほうしょう)
原因:免疫系の異常などで起きると考えられており、40歳前後に患者のピークがある。
女性患者は男性の2倍近くおり、喫煙などが発症の引き金になる。
主な症状:手足などに水疱と膿疱
指の間に皮疹ができる様子が水虫のように見える場合がある。
治療法:白癬菌を抑える抗菌剤を服用しても効果がない。
ステロイド軟こうや活性型ビタミンD3外用薬で炎症を抑える。紫外線を週に1、2回照射する治療法もある。
◆乾癬(かんせん)
原因:免疫系の異常など
主な症状:一般的な尋常性乾癬は鱗屑(りんせつ)を伴い、大きさが1〜2mmの赤く小さな紅斑が頭・肘・膝などに出る。
尋常性乾癬は皮膚の表面を覆うバリアー機能をもつ角質がやられ、足の裏全体が固くなる角質増殖型水虫と見分けがつきにくい。
治療法:炎症を鎮めるにはステロイド軟こうをなどを使用する。
◆紅色陰癬(こうしょくいんせん)
原因:細菌感染
主な症状:指の間や股の皮がむけたり、紅斑が出る。
診断法:紫外線を当てると原因の細菌がサンゴ色の蛍光を発することを利用して、診断が可能。
◆金属アレルギー
原因:虫歯治療に使うパラジウムなど金属が長年のうちに体内に溶け出し、血流にのって体中を周りアレルギーを症状を起こす。(歯科金属アレルギー)
主な症状:手のひらや足の底の皮がむけ、体中にじんましん状になり、かゆみが広がる。
そのかゆみが足に集中すると水虫と区別が難しい。
【誤った診断や治療を避ける方法】
・自己判断で水虫と決めつけない
・水虫はカビの仲間である白癬菌が原因であるため、医師に皮膚組織を顕微鏡で観察してもらい、白癬菌がいないか診断してもらう
・過去に使った薬を医師にきちんと説明する
・市販薬を使って効果がなければ別の病気を疑う