体調が悪いと、まず鼻に表れることが多いため「鼻は健康のバロメーター」といわれます。鼻炎は症状が軽くても、生活の質(QOL)を大幅に低下させるた め、見過ごすことはできません。鼻づまりの自覚症状があることは、アレルギー性鼻炎をはじめとする何らかの鼻の病気にかかっている可能性がありますので、 専門医に診てもらいましょう。
■鼻づまりによって生じる生活上の支障アンケート結果
呼吸がしづらい(21.4%)
仕事・勉強・家事に集中できない(20.2%)
食べ物がおいしいと感じない(18.0%)
この他にも口が渇く、においがしない、頭痛(がする)という回答もありました。
※2シーズン以上続けてアレルギー性鼻炎を経験している20〜60歳代の男女500人によるアンケート結果
※上記アンケートでは約7割の人が鼻づまりの経験をしていると回答しています。
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【アレルギー性鼻炎とはどんな病気】
アレルギー性鼻炎は、その名の通りアレルギー反応によって起こる鼻炎で、ホコリ、ダニ、ハウスダスト、花粉などのアレルゲン(抗原)の吸入により起こるくしゃみ・鼻みず・鼻づまりなど鼻粘膜系のアレルギー性疾患です。
最初はアレルゲン(抗原)を吸入しても無症状のことが多いが、吸入するたびにだんだんと体内の抗体が多くなり、その抗体があるレベルを超えたときに、そのアレルゲン(抗原)を吸入したことをきっかけに発症します。
【アレルギー性鼻炎の症状】
アレルギー性鼻炎の3大症状
1. くしゃみ:一日に何回も出る。鼻の中がむずむずしたり痛くなったりする。
2. 鼻水:粘り気がない、透明な鼻水がたくさん出る。
3. 鼻づまり:嗅覚が鈍ったり、口で呼吸する原因になる。
通常、これらの症状は朝夕に強く現れます。
このほかに、目のかゆみ、涙が出る、頭痛、嗅覚障害などが挙げられます。
決まった時期に起こる季節性アレルギー性鼻炎と、一年中通して起こる非季節性アレルギー性鼻炎、通年性アレルギー性鼻炎があります。
【アレルギー性鼻炎の原因】
アレルギー性鼻炎の代表的な原因は次の通りです。
1.ホコリ
2.ハウスダスト(室内のゴミやダニ、ペット類の毛など)
3.花粉
4.食物
【アレルギー性鼻炎の検査法と診断】
まず、鼻の粘膜の状態を診ることで、アレルギー性鼻炎かどうかの診断をします。次に、『 特異性IgE抗体検査 』採血して抗体の種類を調べる、『 好酸球(こうさんきゅう)検査 』鼻水を採りアレルギー性鼻炎の人に多く見られる「好酸球」という細胞の有無を調べる、『 パッチテスト 』などの検査を行い、原因を調べます。
【アレルギー性鼻炎の治療法】
アレルギー性鼻炎の治療は、まずは、予防です。生活環境・生活習慣の改善をし、 アレルゲン(抗原)との接触を避けることが基本です。
予防の次に、アレルゲン(抗原)に慣れさせ、接触しても発作を起こさないようにする治療方法や体質を改善していく治療方法などがあり、自身にあう治療法を選びます。
1. 減感作療法・特異的減感作療法:アレルギー性鼻炎の原因であるアレルゲン(抗原)が特定されている場合、その特定アレルゲン(抗原)を注射器で体内に投与してアレルゲン物質に慣れさせようとする治療法。アレルゲン(抗原)が特定されている場合に効果的。
2. 対症療法:基本的に薬剤投与(ステロイド薬・抗ヒスタミン薬・抗血管収縮性点鼻薬など)による治療。直接鼻に噴射する局所療法と注射により薬剤投与を行う全身的療法とがある。
3. 手術療法:主に頑固な鼻づまりを解消するために行う治療法。外来通院のみで済む場合と短期入院を必要とする場合とがある。
【アレルギー性鼻炎の日常生活の注意点】
こまめに掃除や洗濯をして部屋を常に清潔な状態に保ち、アレルゲン(抗原)となるハウスダストやダニ、花粉を排除する。
不規則な生活やストレスなどにより免疫力が低下すると、ちょっとした刺激でも症状がでやすくなるため、規則正しい健康的な生活をおくる。